作家名
大木春菜
作品情報
制作年:2020
マテリアル:ガラス
サイズ:H5.5×W18×D11cm
エディション:オリジナル
作家コメント
無垢のガラスを手に取った時、透明という概念について私の中に疑問が生まれた。
私が視覚しているこの存在はいったい何なのだろうか。
透明というのは言葉だけで想像すると、
まるでそこに何もないようなイメージが私の中で先行した。
しかし世の中で透明と表現される物質や製品は形状をもち、
用途を備え存在している。
なぜ私たちはこの存在を透明と認識できるのだろうか。
人間が色を識別するには光の存在が重要となる。
つまり光がこの存在を証明しているのだ。
しかし私たちがガラスを通して視覚する反射のきらめきや影の表情は
ガラスという素材によって生み出される表情であり、
ガラスもまた光の存在を証明していると言えるのではないだろうか。
素材の表情や形を追う中、そこには同時に光や影が存在していた。
他媒体を通して見るガラスの形をテーマに制作を行った。
Artist Profile
熱を利用することで、
作り手の判断を瞬時に造形へ反映させることができるという、
吹きガラスならではの魅力を探求するアーティスト。
溶けているガラスにあわせて体を動かすことで、
作り手の意思を介在させ、
自然美とは異なる造形や特性を活かして
表現している。